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北九州でのWSレポ!学びと笑顔で溢れた循環経済ワークショップ

皆さん、こんにちは!
メンバーズでは、2024年2月16日に「北九州GX推進コンソーシアム」に参加している企業の経営層を対象に、「サーキュラリティデッキ・ワークショップ」を開催しました。

「北九州GX推進コンソーシアム」とは、カーボンニュートラルの実現と地域産業のグリーン成長を目指している北九州市の組織で、今回のワークショップは、コンソーシアムの一環である経営層を対象としたビジネススクールの中で実施させていただきました。

ワークショップでは「CircularityDECK(サーキュラリティデッキ)」というカードを使い、「循環経済型ビジネスモデル構築」の体験を行いました。今回は「歯ブラシ」を題材に、参加者の皆さんとともに、循環経済型のビジネスモデルを検討しましたので、その様子をお届けします。

サーキュラリティデッキ・ワークショップとは?

サーキュラリティデッキ・ワークショップは、オランダで開発された「Circularity DECK」を使用したワークショップです。Circularity DECKは、サーキュラーエコノミーの原則を理解し、企業内での共通理解や言語化を促進し、新しいアイデアやアクションを生み出すためのカードデッキとなっていおり、このカードを使いワークショップをすることで、企業の規模や業種に関係なく、リニア型ビジネスモデルからサーキュラーエコノミーへの移行に必要な視点や方針、アイデアを効率的に考えることができます。

「Circularity DECK」カードの例

当日のワークショップの様子は?

ビジネススクールは午前9時からスタートし、メンバーズのワークショップは午前10時から12時までの2時間で行いました。

▼当日のプログラム
オープニングトーク:15分
Circularity DECKの説明:15分
ワーク①〜②とアイデアの共有:40分
ワーク③とアイデアの共有(全チーム):35分
クロージングトーク:15分

ワークショップは、挨拶とともに、今回の趣旨とマインドセット、世界の動向、ビジネス界に示されているシグナルの共有からスタートしました。

メンバーズ DDX研究所 数藤によるオープニング

その後、今回利用する「Circularity DECK」の説明を実施。まずは、このカードの構成について、ご説明しました。

Cirularity Deckの構成とは?

このCirularity Deckは、5つの資源戦略と3つの階層を組み合わせで、構成されています。

5つの資源戦略と3つの階層

5つの資源戦略や3つの階層については、以下の通りです。

5つの資源戦略

  1. 資源循環の範囲を狭くする (Narrow)

    • 製品・部品をモジュール化し、プラットフォームを構築する

    • サービス化を進める

  2. 資源循環の速度を遅くする (Slow)

    • 製品寿命を延ばし、使用頻度を増やす

    • 所有形態を変え、シェアリングを促進する

  3. 資源循環を閉じる (Close)

    • リサイクル率を向上し、廃棄物を削減する

  4. 再生可能資源を使用する (Regenerate)

    • 再生可能エネルギーやバイオマス資源を利用する

    • 資源循環型農業を推進する

  5. 資源効率を高める (Inform)

    • 情報共有を進め、消費者教育や技術開発を行う

3つの階層

  1. エコシステム層 (Ecosystem)

    • 社会全体における資源循環

    • 制度・政策、インフラ整備、産学官連携

  2. ビジネスモデル層 (Business Model)

    • 企業全体の資源戦略

    • サーキラービジネスモデル、収益モデル、リスク管理

  3. 製品層 (Product)

    • 個々の製品やサービス

    • 製品設計、素材・部品、生産・流通・販売

その次に、それぞれのカードについての説明を行い、Circularity Deckの理解を深めました。

参加者がカードの理解を深めている様子

歯ブラシを循環経済モデルで考えてみる

その後、メインセッションである「歯ブラシを循環経済モデルで考えてみる」ワークを行いました。ワークは次の通りです。

ワーク①:現状のプロダクトの観察、理解、課題特定

  • 51枚のカードのうち、Product層のカードから「A:すでに実装されているもの」「B:まだ実装されていないもの」を割り振る。

※カードは5つの資源戦略(カードの色の違い)に対してそれぞれ3つの階層(Product、Business Model、Ecosystem)に分かれています。

ワーク②:生み出すビジネスモデルに活用する戦略を策定する

  • 51枚のカードのうち、各分類の資源戦略から今回のワークで考えるビジネスモデルにおいて焦点を置きたいものを最大3枚ずつ選ぶ。

  • 3つの階層の円を5つの資源戦略で分割したワークシートの該当箇所に選んだカードを配置する。

ワーク③:戦略をもとに"歯ブラシ"の新しいビジネスモデルを考える

  • 選んだカードを元にカードに書かれた条件を達成するためのビジネスアイデアを考え、付箋に書き出す。

ワークショップででた模造紙の様子

実際にグループで出たアイデアとは?

ここで、私がファシリテーターを務めたグループででた「循環経済型ビジネスモデル歯ブラシ」のアイデアをご紹介します。

アイデア: 子どもと共に成長する、未来を拓く循環型歯ブラシ「デルタルゴール土」

私たちのグループでは「デルタルゴール土」という循環型の歯ブラシを考えました。「デルタルゴール土」は、子どもが生まれた記念に贈る、一生涯寄り添う循環型歯ブラシです。松竹梅の3つの価格帯から、お子様の成長に合わせて最適な歯ブラシを選べ、先端部分はサブスクリプションで定期的に交換し、常に清潔な状態を保つことな可能な歯ブラシです。具体的には以下のような特長をもちます。

特長

  • 子どもと共に成長する
    絵柄付きの歯ブラシは、お子様が生まれた時にプレゼントとして贈ります。成長に合わせて、段階的に硬さを変えられるサブスクリプション型の先端部を使用することで、長く愛用できます。

  • 家族の絆を深める
    遠隔で、おじいちゃんおばあちゃんの口腔状態をデータで確認し、安否を確認できます。データに基づいて、まちの歯医者さんにオリジナルの歯ブラシを作成してもらうことで、健康管理をサポートします。

  • 持続可能な社会への貢献
    使用済みの歯ブラシは回収し、リサイクルすることで、資源の有効活用と環境保護に貢献します。

  • 多様なニーズに対応
    松竹梅の3つの価格帯に加え、金製のプレミアムモデルも用意しています。富裕層やインバウンド観光客など、幅広いニーズに対応します。

グループで考えたアイデアは、模造紙にまとめ発表しました。どのチームのアイデアもユニークで、会場は歓喜に満ち溢れ、とても盛り上がりました!

作成したアイデアを発表する様子

まとめ

今回のワークショップは、5人程度の5つのグループで活動しましたが、どのグループからも画期的で斬新なアイデアがでました。サーキュラリティデッキを通して、普段は思いつかないようなアイデアが生まれたのではないでしょうか。

このように「Circularity DECK」を用いたワークショップでは、サービスデザインの手法を活用して、拡散・収束を繰り返し、アイデアの練り込みをご支援します。今回は効率的かつコンパクトな形式で実施しました。

参加者は、サーキュラーエコノミーの51のポイントをレビューしながら議論を進めました。この過程で、短い時間でも多様な視点やアイデアが生まれ、活発な意見交換が行われました。新たな視点や発想が生まれることで、循環経済型ビジネスモデルの可能性について深く考える機会となりました。
今後も、サーキュラリティデッキを活用したワークショップを普及していくことで、循環経済型ビジネスモデルの普及に貢献していきたいと考えています!

ワークショップはメンバーズ社員が出張しての開催も可能ですので、地域にかかわらず、ご興味があればぜひお問い合わせください。

メンバーズ地域脱炭素DXセンター北九州のご紹介

さいごに、メンバーズが2024年1月に設立した「地域脱炭素DXセンター」についてご紹介します。

左:センター長 小川、右:副センター長 東

センター長:小川 智大

この度、北九州市を中心に地域企業様のGX推進サポートやご相談窓口として「地域脱炭素DXセンター北九州」を開設いたしました。開設初年度の2024年は、「北九州市GXコンソーシアム」への参画により、地域企業様との連携強化やGX/DX人材の伴走による「はかる(計画・算定)」「減らす」「稼ぐ」領域で、多様なご支援を展開できればと考えております。

地域脱炭素DXセンターの貢献

今回体験いただいたサーキュラリティーデッキは、「社員へのサステナビリティ理解浸透」「循環型サービスの開発」「ビジネスモデル変革にむけた方針策定」などの領域で、関係部署やステークホルダー等を巻き込みながら戦略をたて、アイデアを創出することが可能なツールとなっています。社内で実施してみたい等のご希望ありましたら「地域脱炭素DXセンター北九州」までご連絡ください!

また、脱炭素に向けたScope1〜3の算定、推進リソース不足などのお悩みについても、お気軽にご相談いただけますと幸いです。地域の皆さまと共に、ゼロカーボンシティの実現に向けて取り組んで参りますので、よろしくお願い申し上げます。

副センター長:東 亮太

GXコンソーシアム、GXエグゼクティブスクールのワークショップにご参加いただきありがとうございました。
ワークショップでは、さまざまな視点で循環経済として成り立つ商品・サービスについて考えることで、参加者の皆様がお持ちの商品・サービスで循環経済を実現するために実行できる施策や、ユニークなビジネスアイデアを思いつく機会になったのではと思います。ファシリテーションとして参加させていただいた我々も新たな発見がたくさんありました。
ワークショップは気軽にお試しいただけますのでぜひお声かけいただければと思います。

地域脱炭素DXセンター北九州はまだ立ち上がったばかりですが、地域に根差したセンターとして北九州市の周辺地域の企業様をご支援させていただきたいと思っております。DXを通したGXでデジタル化も脱炭素も推進させていきたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

ライター情報:濱松 みのり
AS5本部 DevOpsLeadカンパニー所属
メンバーズには19新卒で入社し、これまでは企業のWEBサイトやSNS運用に従事。現在は広報として主にnoteを運用し、事業推進をしている。北九州のアースデイ2024のイベント運営で活動中。


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