NFTでつながる人と人
未来の兆しとなる事例を紹介する「Signals for future」シリーズ。
第3弾は、ブロックチェーン技術をもとに作成された代替不可能なデジタルデータ「NFT(非代替性トークン)」から見える未来の兆しを事例とともにご紹介!アートだけでなく、生産者の可視化やコミュニティ形成など、さまざまな可能性を秘めたNFTをもとにブロックチェーン技術を使ったビジネスのヒントを探っていきます。
ファッション×NFT
あなたは自分の服が誰に作られたものか知っていますか?
どこのメーカーの服かは知っている人は多くても、素材の生産者まで知っている人は少ないのではないでしょうか。
しかし、最近では生産者と消費者をつなぐプラットフォームが開発されているのです。
三井物産株式会社が手がける「farmers 360° link」は、世界中の農家のトレーサブルな生産物とデジタル技術を組み合わせて、購入者と生産者をつなぎ、新たなエシカル消費体験を提供しています(※1)。新たなエシカル消費体験とうたうように、単なる原産地証明では、終わらないのがこの「farmers 360° link」の特徴。
「farmers 360° link」では、ブロックチェーン技術を活用することで、コットンの生産がもたらす環境・社会面のインパクトを可視化することができます。また、商品には応援用のお金が含まれており、購入者は商品タグのQRコードを読み込むことで、生産者である農家に対しての応援方法を選択することができる仕組みとなっています(※2)。生産地に電気を通したり、給水ポイントを作ったり、様々なプログラムでコットン生産者を応援することによって、購入者はアフリカの農村に笑顔が生まれる様子を見守ることができます(※1)。
そんな「farmers 360° link」を早くも起用しているのが、カリフォルニア発のセレクトショップ「ロンハーマン」。同ブランドのオリジナルレーベル「8100」では、今年の春夏ウィメンズコレクションの素材として、アフリカのザンビア中央州に住む契約農家の100人が環境や人権に配慮して手作業で育てたコットンを使用しています。このトレーサブルコットンは、ブロックチェーン技術を用いて日本へ輸出され、工場で紡績されたのち、スウェット、Tシャツ、パンツなど6種類の商品となります(※2)。
コットンの生産背景、農家の想いなどを知り、応援プログラムの進捗状況やコミュニティの変化も見届けることができれば、服を大事に長く着つづけたくなるのではないでしょうか。服で自分を表現するだけでなく、生産者を応援することもできるようになる未来は近いのかもしれません。
アート×NFT
NFTと聞いてアートを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実際にアートの売買にNFTが用いられている事例はたくさんありますが、最近ではアートの取引で終わらせず社会課題の認知や支援につなげる動きもあります。
「RE:VISON ART PROJECT」は「気候変動と難民問題」に対する無関心を打破し、問題解決に向けた一歩と、その連帯をつくることで、気候変動と難民問題の未来を書き換えるためのアートプロジェクトです(※3)。
難民支援活動に寄付すると支援者になり、アート作品の一部をNFTとして受け取ることができ(※3)、支援が集まるごとに作品の全容が見えるというワクワク感があります。
また、若者とのワークショップを経て浮かび上がった、気候変動や難民問題がもたらす「悲劇的な未来」と問題が解決された「理想的な未来」を描いているという点で(※3)、アート作品自体もユニークです。
しかし、プロジェクトはここで終わりません!NFTを受け取った人は支援者限定のコミュニティのメンバーになることができ、一緒に社会課題への理解を深めたり、解決へのアクションをとることができるのです(※3)。コミュニティ形成は長期的な支援や同じ課題感を持つ人たちのモチベーションを上げる空間づくりに寄与しています。
「RE:VISON ART PROJECT」はアートと人だけでなく、人と人をつなげる媒体としてもNFTを活用できる可能性を示してくれます。
ここから見えるシグナル
これらは、生産者と消費者をつなぐプラットフォームをブロックチェーン技術で実現した、サステナブルな生産者と消費者の在り方の事例です。
気候変動に立ち向かう方法はさまざまですが、Web3.0やメタバースなどの新たな市場の開拓、NFTやDAOなどのブロックチェーン技術の採用は、企業のビジネスを広げるうえで重要になってくるでしょう。
また、生産者と消費者がつながるモデルがマーケティング的にもロイヤルティーを高めるという観点で、「つながり」を意識したビジネスモデルは今後ますます増えていくことでしょう。
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Signals for future:https://www.instagram.com/signals_for_future/
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