Z世代は社会を変えるのか?~調査データとアクションから考察する~
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Z世代は社会を変えるのか?~調査データとアクションから考察する~

世界を席巻する気候変動に関するアクション。その中心には、グレタ・トゥーンベリさんに象徴される、社会課題への関心が高いと言われる1990年代後半から2012年頃に生まれた、Z世代と呼ばれる若者層の存在があります。

今回は、一般的な認知の通りZ世代などの若者層は、気候変動などの社会課題に高い関心を持つのか、いくつかの調査やアクションから検証してみましょう。

検証1:社会課題への関心は、全世代で高まる

社会課題への関心層を把握し検証するため、国内外のいくつかの調査結果を紹介しましょう。

①:Cone Communications社 調査
Z世代の社会課題への関心の高さを言及する際に紹介される調査の1つに、米国 Cone Communications社の調査が挙げられます。米国に住む13~19歳の1,000人を対象とした「企業の社会的責任に関する調査」では、以下の通り、Z世代の関心の高さを示しています。

・企業は社会問題や環境問題への取り組みを行うべき:94%
・社会問題や環境問題に取り組みをしていない企業より、取り組む企業から商品を購入したい:89%

出典:『米国 Cone Communications社:Cone Gen Z CSR Study: How to Speak Z』

②:国連開発計画(UNDP)調査
ここで社会課題のテーマを気候変動に絞り、国連開発計画(UNDP)が世界50ヵ国120万人を対象に実施した、気候変動に関する世界最大の世論調査の結果をご紹介しましょう。

・18歳未満の若者層は、それ以上の年長者よりも気候変動を緊急事態と考える層が多い
・他年齢層は、18〜35歳:65%、36〜59歳:66%、60歳以上:58%であり、あらゆる年齢層で同様の認識拡がる

若者層の関心は最も高い、しかし、他世代もその傾向は変わらないと言ってよいでしょう。
出典:『国連開発計画(UNDP):気候変動に関する世界最大の世論調査』

③:CSVサーベイ 2021年春調査(メンバーズ)
最後に、当社が今年2月に、国内の一般生活者1,107人を対象に調査した「気候変動問題・SDGsに関する生活者意識調査(CSVサーベイ 2021年春)」の結果をご紹介しましょう。

・地球温暖化問題に関心がある:61%
・性別、年齢別の結果は以下の通り

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→20代女性以外は全て、関心があると回答した層は半数を超える
→男女とも40代以上のシニア層がその傾向が高い

出典1:『気候変動問題・SDGsに関する生活者意識調査 (CSVサーベイ2021年 春) 調査結果サマリーコラム』
出典2:『気候変動問題・SDGsに関する生活者意識調査(CSVサーベイ 2021年春)リリース』

国内外の調査結果を通して、Z世代の関心は高いが、全世代で高まっている、また、国内はシニア層を中心に全世代で関心が高まるという結果が導き出されています。当社では数年前から同様の調査を実施していますが、男女問わず、20代とシニア層が社会課題や地球温暖化への関心が高いのがこれまでの結果でした。20代の若者層は、関心層も多い一方で無関心層も多いという結果が続いていましたが、二極化の傾向は今回も踏襲されることになりました。

検証2:Z世代の気候変動に対するアクションはグローバルで大きなうねりとなる

①:グローバル気候マーチより
スウェーデンの少女、グレタ・トゥーンベリさんがたった1人ではじめた活動は、様々な国々のZ世代の共感を呼び、一昨年のグローバル気候マーチは世界が注目するムーブメントへと発展しました。

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イギリス ガーディアン紙によると、150ヵ国、600万人が参加、各地域での参加人数は以下の通り。
・アメリカ ニューヨーク州:25万人
・イギリス:30万人
・オーストラリア:30万人
・イタリア:100万人
・ドイツ:140万人
・日本:5,000人
出典:Wikipedia

他先進国と比べると日本の参加者数は見劣りますが、メディアへの露出等を考えれば、一定の成果を収め、今後より一層の高まりを期待させるものでした。

学生が主体となり、世界40ヵ国で開催される気候変動への理解と行動喚起を目的とする音楽ライブイベント「Climate Live Japan」は、今年4月に日本でもオンラインで開催され、多くの視聴者が参加しました。
※メンバーズでは、気候変動への理解と行動喚起を目的とする「Climate Live Japan」の趣旨に賛同し、協賛しました。

②:CSVサーベイ 2021年春調査(メンバーズ)
前述の当社の調査では、SDGsを認知する層(486人)を対象に、社会課題解決のために自らが行う活動や行動に関する設問を設けていますが、SNSで情報発信をしたり、NPOやボランティアに参加する層が最も多かったのが20代でした。
地球温暖化やSDGsに関心を持つ若者層は、それら課題を自分事化し、自らが解決に向けた行動を積極的に行っていることが明らかになりました。

考察:全世代で高まる気候変動への関心、社会を変えるのはZ世代である

世界が目指す、2050年の脱炭素社会の実現。全世代で気候変動への関心が高まっていることが把握できました。
そして、当社の調査で明確になった、SNSを活用し自らが情報発信の起点となる若者層。小中学生の頃からインターネットに親しみ、PCやスマートフォンを使いこなすデジタルネイティブと呼ばれる世代は、日本でも社会の大きなうねりの発火点となっています。

前述のCone Communications社の調査によれば、「ソーシャルメディアを使用することで社会問題や環境問題に影響を与えることができる」と、Z世代の81%が回答しています。
Z世代は、ソーシャルメディアやデジタルという強力なツールを武器に、次の解決策を見出すことでしょう。若い力と行動力は、古い常識を覆し、新しい時代を創ると確信しています。

古い船には新しい水夫が乗り込んで行くだろう
古い船を今動かせるのは古い水夫じゃないだろう
出典:吉田拓郎 『イメージの詩』

ライター:萩谷 衞厚
2015年5月よりメンバーズ入社。様々なCSV推進プロジェクトを担当、2018年よりSocial Good Companyの編集長を務める。

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