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改めてDXとは?背景からハードル、事例までをまとめてご紹介

当社が運営する本note「Members+ ‐私たちの未来とビジネスを考える‐」では、これまで脱炭素とDXという大きく2つの軸からさまざまな記事を執筆してきました。特に2020年から2021年にかけては、新型コロナウイルスの拡大によって社会が大きく変化したことで、DXへの関心が飛躍的に高まりました。

そこで本記事では、改めてDXの概要について網羅的に理解するとともに、本noteの記事などもあわせて紹介していきます。

改めて、DXとは

そもそもDXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)のことを指し、企業によるデジタルを活用した業務プロセスや事業モデルの変革を指します。つまり、単にデジタルのツールやデータを活用することだけでなく、業務やビジネスモデル、組織構造、企業文化などを変化させる広範な変革(トランスフォーメーション)のことを意味しています。

これは、デジタル化との比較でわかりやすくイメージできるでしょう。デジタル化とは既存業務をデジタルに置き換えることであり、たとえばこれまで紙に印刷していた文書をデジタルで回覧して、業務プロセスを効率化することなどが挙げられます。

一方でDXとは、経費や契約のプロセスをデジタル化したり、これまで人為的におこなっていた業務そのものを機械に置き換えていくことを指します。たとえば、モノの発注や配送プロセスをペーパーレス化していくだけでなく、そもそものプロセス自体を機械学習などによって最適化していくことや、製品の品質管理にIoTなどを活用することで、抜本的にアプローチを変えることなどが挙げられます。

なぜDXが求められるのか

このようにDXが急速に求められる背景としては、経済産業省が2018年に公表したレポートの中で、2025年までに既存システムのブラックボックス化や技術的負債の増大、サイバーセキュリティなど、リスクの高まりなどが急速に顕在化すると警鐘を鳴らしたことが挙げられます。

また新型コロナウイルスによって急速に社会のデジタルシフトが進んだり、消費者の行動変容が生じたこと、各企業でデジタル化への投資が進んだことで競争が激化していることなども要因となっています。

DXが生じている背景などは、下記の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

DXを実践する上でのハードル

とはいえ、企業にとってDXの実現はそれほど容易ではありません。一般的に企業がDXを実現する上でのハードルとしては、人材不足企業文化などソフトな側面が指摘されることが多くなっています。

前述したように、DXは単なるデジタル化とは異なるため、単にデジタルツールに精通していれば良いわけではなく、業務プロセスなどを深く理解していることが重要となります。そのため、外部コンサルだけでなく企業内部の人材もしくは深いコミットメントを示すことができる人材が必要となりますが、ただでさえエンジニアをはじめとしたデジタル人材が足りなくなっている現状で、DXを実行できる人材はますます希少となっています。

これ以外にも、経営層がDXに対して深い理解がないことで、企業内の合意形成が図れなかったり、十分な投資が集まらなかったりなど、DXを阻む要因は様々ですが、技術そのものよりも、それを実装していくフェーズで問題が顕在化しやすいと言えます。

DXを実行していく上でのハードルなどは、下記の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

またDXを実践していくための人材面でのハードルについては、DX人材に求められるスキルやマインドセット、組織文化に関して下記の記事でご紹介しています。

DXの社会実装

DXへの変化が不可逆となる中、その社会実装に向けた動きは日本でも次々とスタートしています。過去noteでも触れたように、産業競争力強化法の改正によって「デジタル化」への対応のために規制緩和や税制改革が目指されています。

しかし、より大きなイベントとしては、やはり今年9月1日に設立されたデジタル庁でしょう。12月には、同庁より早速「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」がリリースされるなど新たな動きもあり、行政のDXを担う司令塔としての役割が期待されています。本noteでは、デジタル庁 統括官の村上 敬亮氏にインタビューさせていただきましたので、ぜひご覧ください。

また行政のDXという意味では、先駆的な取り組みが国際的に話題になることも多いデンマーク政府についてもご紹介しています。

DXの成功事例

そして行政以外にも、DXの成功事例は次々と現れています。経済産業省と東京証券取引所による「DX銘柄」および「DX注目企業」の選定はその代表例となっており、選出された企業の取り組みに注目することが出来ます。

たとえば株式会社小松製作所は、モノ(機械の自動化・自律化)とコト(施工オペレーションの最適化)という両面でDXを進めている実績が評価されています。

またアサヒグループホールディングス株式会社は、消費者のトレンド情報や素材を機械学習させるとともに、主観に左右されない客観性のある商品パッケージデザイン案を生成するAI技術の開発を進めています。

他にも東レ株式会社は、高分子材料の設計に際して、シミュレーション(理論計算)による本質解明やインフォマティクス(データ科学)による予測設計を駆使した実験を用いることで、研究開発を効率化しています。

本noteではそのほか、ビジネスプロセス、ビジネスモデル、ビジネスドメイン、文化・組織という4つの観点からアメリカ企業のDX事例をご紹介しています。こちらもご覧ください。

ここまで、改めて押さえておきたいDXの概要や、当社が執筆した関連記事をご紹介しました。
注目が高まる一方で、その実現は決して容易ではないDX。本記事が企業のDX推進における一助となれば幸いです。

ライター:石田 健
株式会社マイナースタジオを創業後、メンバーズにM&Aで参加。現在は同社を継承した部署で、企業向けにコンテンツ・マーケティングやデジタルにおけるグロース戦略の支援などを担当。

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