第8回「気候変動と商品・サービスの購入に関する生活者意識調査」結果|脱炭素DX研究所レポート#02
メンバーズは、2020年5月に発表した VISION2030 にて「日本中のクリエイターの力で、気候変動・人口減少を 中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする」ことを掲げています。 気候変動問題の解決には、社会・企業の早急な脱炭素化が欠かせませんが、そのためには生活者の意識や実態の把握も必要です。
そこで、企業と生活者が一体となり、脱炭素社会の実現できるよう、生活者の意識や実態を把握する「気候変動と商品・サービスの購入に関する生活者意識調査(CSVサーベイ 2023年7月)」を脱炭素DX研究所にて実施しました。
調査では、気候変動問題の解決に向けて企業に脱炭素化が求められるなか、気候変動に関する生活者の意識や商品・サービスに関する購入意向、企業への期待がどう変化しているのかなどを明らかにしています。
調査サマリー
生活者の67.0%が気候変動問題に関心を持ち、45%が自分ごと化。関心を持つ人は6~7割を推移。
生活者の19.6%が気候変動を意識し行動。80.0%以上がサーキュラーエコノミー型の商品開発を期待。
生活者の47.6%が普段の買い物で「環境配慮・サステナビリティ」を重視。
環境に配慮した商品・サービスの購入意向を持つ生活者は69.3%。
気候変動問題に関心がない層も含めて、生活者は環境についてのラベル表示で購入意向が高まる。「カーボンフットプリント(48.5%)」、「環境ラベル(60.8%)」。
環境に配慮した商品・サービスの購入意向があるのに「購入していない」人は49.4%。商品・サービスを選ぶための情報が行き届いていない。
企業の環境配慮の取り組みについて、情報発信が「わかりにくい」と感じている人は60.3%。
再生可能な電力の利用に55.7%が肯定的。環境配慮型の自動車の購入意向はガソリン車の約2倍。
調査結果抜粋
1:気候変動関心層は67%、理由は「子たちや若者の未来、自分の将来に関わること」だから。
生活者の67.0%が気候変動問題に関心を持ち、気候変動問題に関心を持つ層は過去の調査からここ数年6~7割を推移しています。気候変動に関心を持つ層は、気候変動問題を「将来世代や自分の将来に関わること」「自分たちの行動の結果が生み出している問題」と考え、自分ごと化する傾向にあります。(全体の45%以上)
2:気候変動対策として、生活者は、企業に「長期使用への考慮・梱包材への配慮」などを求める
企業に注力してほしい取り組みとして、環境に配慮した「長期使用を考えた商品・サービスの開発(82.9%)」、「梱包や資材への配慮(81.3%)」、「環境に配慮した原材料の使用(80.0%)」が8割を超えました。
生活者がサーキュラーエコノミー型の商品開発を企業に求めていることが浮き彫りとなりました。
3:環境ラベルの表示は、環境配慮商品・サービスの購入意向を高める
「環境ラベル」の表示は、環境に配慮した商品・サービスに対する購入意向がある人へは特に効果があり、環境ラベルをはじめとした商品周りでのわかりやすい商品訴求が重要であることがわかりました。
脱炭素DX研究所からの提言
今回の調査結果から、私たちは以下の3点が重要だと考えています。
脱炭素社会の実現に重要な役割を果たすサーキュラーエコノミー、脱炭素を考慮した商品やサービスのデザインは、生活者のニーズでもある。ライフサイクルアセスメント(LCA)などを通じた環境性能の高い製品開発や、環境性能表示による生活者とのコミュニケーションは、企業にとって急務かつ重要である。
気候変動への関心や環境に配慮された商品・サービスの購入意向はもはや生活者のスタンダードとなりつつある。一方で、購入に至らない理由として「わかりにくさ」が上がっており、企業は「環境配慮・サステナビリティ」の取り組みや商品・サービスの情報を効果的に発信することが求められる。
脱炭素社会の実現には、無関心層も含めた多くの生活者からも低炭素型の商品・サービスが選ばれるような、商品設計やサービスデザイン、社会システムの転換が必要である。
さいごに
いかがでしたでしょうか。他設問の調査結果や経年変化のトレンドなどを含めた、本調査結果のフルレポートはこちらからダウンロードできます。
ぜひご確認ください。
また、メンバーズでは企業の製品やサービス単位でのGHG排出量を可視化し、生活者へ効果的な訴求につなげる「LCA算定&マーケティング活用支援サービス」をご用意しています。
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