現場主導の脱炭素推進施策を始めてみたら、社内でバズった話
脱炭素社会の実現に向け、多くの企業で積極的な取り組みが推進されている一方で、実業務やビジネスとの関連づけ、現場との温度感、社員の関心度などの課題から「サステナビリティに関する取り組みが一部の部門や人にとどまってしまう」、「脱炭素をどのようにビジネス、事業部の活動につなげていけばよいか分からない」、といった悩まれている方も多いのではないでしょうか?
今回は、取り組み開始直後に80%の社員が日々の業務の中で実施することを宣言し、ビジネス成果の向上を図りながら半年間で約1,000t-CO2の削減に貢献した現場主導の脱炭素推進施策「脱炭素アクション100」プロジェクトについてご紹介します。
現場主導の脱炭素推進施策「脱炭素アクション100」プロジェクトとは?
「脱炭素アクション100」は、全社員のカーボンリテラシーの向上、ビジネス成果の向上、脱炭素社会実現への貢献の推進、可視化を目的とした当社の取り組みで2023年4月より開始しました。
では、具体的にどのようなプロジェクトなのでしょうか。
まず、サービス提供時など~サービス提供時など、社員が日々の業務を通じて実行可能な脱炭素に関する取り組みを当社の職種/職制を踏まえて作成した「脱炭素アクション100」リストの中から選択していただきます。そして、社員一人ひとりがこれから行っていくことを「宣言」し、宣言した内容に基づき、チーム内でのワークショップ等を通じて、具体的なアクション計画を作成・実行します。これによって、ナレッジの蓄積、想定炭素削減量の可視化を図り、炭素削減に全社として貢献していく、というプロジェクトです。
「脱炭素アクション100」プロジェクトの進め方とポイント
それでは、この「脱炭素アクション100」プロジェクトの進め方とポイントをいくつかご紹介します。
※本取り組みに関する詳細については、以下をご参照ください。
1.取り組みたくなる「脱炭素アクション100」リストの作成/展開
はじめに、プロジェクトに対して社員が「(難しいかもしれないけど)自分の業務と関連がありそう」であったり、「やりがいがありそう、やってみたい」と思えるような動機づけが重要となります。
そこで、それぞれの社員が実施するアクションを選ぶ「脱炭素アクション100」リストの作成においては、以下の観点を踏まえて作成を行いました。
気候変動に対するマテリアリティを踏まえられていること
当社の職種・職制を踏まえてBO社員も含む全社員が提案・実行に関与できること
社員一人ひとりが考える余白があること
各アクションと炭素削減の関連性と貢献度の解説を加えること
なお、本プロジェクト並びにリストの社内リリースには、戦略/方針のようないわゆる「上から下へ」の文脈ではなく、社員へのお披露目のような現場に「期待感」を感じてもらえるような演出面(発表会の開催、ワーディング等)に留意しました。
また本リストは、あえて「β版」としてリリースを行い、社員からのアイデアをもとに常にアップデートを行う、というメッセージを発信することで社員の巻き込みを促しました。
2.社員の声をもとに作り上げていく未完のプロジェクト
つぎに重要となるのは、展開されたリスト等の情報を「体感的に」認知してもらうことです。ここでポイントなのは、閲覧等の受け身の行動を促進していくよりも、小さな行動からで構わないので能動的な行動を促していくことです。
「脱炭素アクション100」プロジェクトでは、以下のような取り組みを行いました。
やってみたいアクションを選択する「宣言」フォームを設置
「脱炭素アクション100」社内サイトを作成し、投書箱、アイデア募集
各部門の代表社員から構成される「脱炭素アクションアンバサダー会」の設置/運営
全社員でアイデアを考えるワークショップ開催
このように、意見やコメント、相談しやすい環境を多く設置し、社員が少しずつ能動的な行動を行いやすいような行動設計を行うことがポイントです。
3.取り組み成果の可視化を様々なアウトプットで行う
そして、最後に社員を巻き込んでいく上で重要なことは「成果の可視化」です。
社員一人一人が取り組んできたアクションが、どのように脱炭素に貢献しているのかや、どのようにお客さま企業、自社のビジネス成果に貢献しているのか、ということが可視化されることで、その貢献実感は高まると私たちは考えています。
そこで、半年間の取り組み成果をとりまとめ、「脱炭素アクション100」実施レポートとして、社外公開/プレスリリースを行うと同時に、社内でも半年間の成果を共有する会を開催しました。
半年間の成果を共有するため社内で開催した「脱炭素PARTY」は、成果の共有だけでなく、脱炭素を基点とした社員同士の横のつながりや帰属意識の醸成、継続的な動機づけを目的に、懇親会や取り組みの表彰などを実施しました。
「脱炭素アクション100」取り組み成果と今後の展開
これまで取り組んできた脱炭素アクションの成果としては、さまざまな手ごたえを感じておりますが、以下のようなことがあげられます。
脱炭素を基点としたAIの活用などによるサービス立案(コスト削減・ビジネス成果向上)
削減貢献量の可視化に伴う社会価値の創造
社員のカーボンリテラシー向上と自発的な脱炭素に関する能力開発実施への期待
ビジネス成果向上、最大化につながるアクションをナレッジ化し、メンバーズが提供する「脱炭素DXソリューション」ラインナップを更にブラッシュアップしていく予定です。
メンバーズは引き続き、全社員による脱炭素アクションの取り組みを継続/推進し、ビジネス・本業を通じた炭素削減に取り組んでいきます。
「脱炭素アクション100」をもっと知りたい方へ!
「脱炭素アクション100」プロジェクトにおける社員巻き込みの視点でいくつか取り組みをご紹介しましたが、いかがでしょうか?
ここまでお読みいただいた方の中には、取り組み自体は推進したいけれどなかなか人員を割くことができない・・・という課題に直面される方も多いのではないでしょうか?
実はこの「脱炭素アクション100」プロジェクトは、社内の多くの人に協力は仰ぎながらも、実質の事務局は2名体制で実施しています。取り組み推進におけるコツやポイントさえ掴めれば、限られたリソース下であったとしても取り組みを推進することが可能です。
2024年2月に開催されたセミナーでは、このような推進に関するポイントなどをご紹介しました。アーカイブ動画も配信しているので、ぜひ、ご覧ください。
アーカイブ動画
全社員が日常業務から脱炭素と業務改善を実践する仕組みとは? ~「脱炭素アクション」100の事例と社員を巻き込む3つのポイントをご紹介~
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