今だから伝統工芸
伝統工芸はSDGs?
みなさんご存じだとは思いますが、SDGsは「持続可能な開発目標」のことで、2030年までに持続可能な世界を目指す国際目標として掲げられました。
より豊かな未来への一歩を踏み出すため、国・企業・個人が一丸となって、SDGsに取り組む必要があります。
そして、実はSDGsと意外にも深い関係があるのが、日本の伝統工芸です。
そもそも伝統工芸品とは、伝統的な技術や材料を用いて、主に手作業で一定の地域の職人に製造される品のこと(※1)。繊細なデザインや品質の高さなどは海外からも高く評価されており、年代も国も超えて、多くの人の心を捉えています。
そんな日本が誇る伝統工芸の在り方は、持続可能性が高いといわれています。たとえば、
・生産地域にあった資源を必要なだけ活用し、環境にやさしい
・大部分の工程が手作業で行われ、電気などのエネルギーの消費がごくわずか
・「ものを大切にする」精神
など、日本の文化は、SDGsの12番の目標「つくる責任つかう責任」と一致しています。
伝統工芸や伝統工芸品は以外なものと組み合わせたり、と時を経て進化し続けていますが、今回はサステナビリティの観点でなぜ
藍染廃水を使った美容液
1家に1枚はある(?)であろう藍染商品。そんな、日本人に馴染みのある藍染の「あるもの」に目を付けたのがドイツ発の日系繊維スタートアップ「AIZOME」。なんと「AIZOME」は藍染の工程で出る廃水を、そのまま使ったスキンケア製品「WASTECARE」を開発したのです!
廃水をそのまま使うことに抵抗を覚える人も少なくないでしょう。しかし、藍染の成分は藍と水のみで化学物質を一切使用しておらず、そのうえ栄養素が高いのは知っていましたか?AIZOMEは藍由来の栄養に着目し、これまで畑にまいていた廃水を、今回はその一部を肌に触れるスキンケアに転用することにしたそうです。
捨てられていたもの(廃水)に商品価値を見出した着眼点や発想は驚きですね。しかしそこには、自然のものを使う、自然の出したの色合いを楽しむ、日本伝統の藍染の本質が隠されているのかもしれません。
伝統技法を用いて空き瓶を生まれ変わらせる
お店で売っているきれいなバングルや友達が身に着けているおしゃれなバングルが、元は空き瓶だとしたら…きっとあなたも驚くのではないでしょうか?
ガラス専門店「GLASS-LAB株式会社」はガラスで作られることの多いワインぐなどの空き瓶をアクセサリーにアップサイクルしました(※3)。
商品の名前は「GLASS-LAB NEW PRODUCT “WA”」。日本の伝統技法「江戸切子」の一つの手法である平切子を用いて、無機質なガラスのバングルにもそれぞれの味や命を吹き込んでいます。また、商品名に“WA”とあるように、いずれも「輪」を感じさせるさせるデザインになっているのです。
『GLASS-LAB NEW PRODUCT “WA”』は、空き瓶を空き瓶で終わらせない、サステナブルな「輪」や「和」を体現したアクセサリーといえるかもしれません。
ここから見えるシグナル
昨今のSDGsやサステナビリティへの意識の高まりで、いかに商品やビジネスをサステナブルにしていくか悩んでいる企業は多いでしょう。しかし、エシカル商品が増えてゆき、「エシカル」の価値が弱まった未来にはそれ以外の訴求ポイントが必要になります。
エシカルだけじゃない「伝統工芸」という価値を与えられるのは、環境負荷を抑え事業成長や商品売上向上を目指す企業にとって重要です
また、伝統工芸や伝統工芸品が「伝統」という枠を超えた何か別の商品につながるのは、認知拡大や後継者問題の解決の一助になるかもしれません。
伝統工芸品を地球に優しい形で何かと組み合わせることは、伝統工芸の生き残り戦術でもありますが、現代企業の生き残り戦術でもあります。昔ながらの技術は、サステナビリティや共創が重要となってくる社会で社会課題もしくは企業の課題解決の鍵となるのではないでしょうか?
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