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カーボンプライシングとは?

メンバーズの「GX人材」による本マガジン。「脱炭素経営」を目指すために必要なプロセスや手法について、読者の皆さんとともに学びを深め、ともに歩んでいきます。この記事ではカーボンプライシングについてお伝えします。


概要

世界では2050年にカーボンニュートラルにむけて脱炭素に向けた取り組みが進められています。
取り組みの1つにCO2の排出量を削減することを目的とした対策「カーボンプライシング」という政策手法があります。
カーボンプライシングとは、排出者(企業)の行動を変化させるべく、企業などが排出するCO2(カーボン、炭素)に価格をつける政策手法のことです。
カーボンプライシングには多くの手法があり、国や地域によって導入されている制度も異なります。また、対象者や負担する水準などの細かい仕組みもそれぞれ違います。
そのなかでも、わたしたち日本人と関係が深く、主な制度とされる「炭素税」「排出量取引制度」を具体的にご紹介します。

炭素税:政府が炭素価格を直接的にコントロールする手法

企業などが燃料や電気を使用して排出したCO2に対して課税するもので、石油や石炭などの化石燃料から排出される二酸化炭素が課税対象となる仕組みです。
価格に関しては、炭素排出1トンあたりに対して値付けし、政府が炭素価格を直接的にコントロールします。

排出量取引制度:政府が排出「量」をコントロールする手法

個々の企業に排出枠を設定し、設定した排出量を超えて排出した企業は、枠が余った企業から排出枠を購入することができるという仕組みです。これによって、企業が排出する温室効果ガス排出量削減の確実な実施を担保できるというメリットがあります。

出典:環境省地球温暖化対策課 市場メカニズム室

歴史

世界で初めてカーボンプライシングが導入されたのはフィンランドです。その後、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オランダなどを中心に導入の動きが続きました。

炭素税に関しては、2022年4月時点で、68の国と地域で導入(世界銀行調べ)しており、日本でも「地球温暖化対策のための税」や「揮発油税」などの名称で導入をしています。税率は各国で引き上げられており、世界がカーボンニュートラル実現に向けた動きが加速していることがわかります。

排出量取引制度に関しては、EU域内で2005年に世界で初めて導入され現在に至るまで英国、ノルウェー、オーストラリア・アメリカ・カナダの州等にも広がりつつある現状です。一方で日本では一部都市での導入はしているものの、国全体での導入はされておらず、2026年度の本格稼働に向けて準備を進めている段階です。

日本での現状

2つのカーボンプライシング政策について日本にフォーカスを当ててみると、
炭素税に関しては、2012年からの導入且つ、炭素価格も安く世界に遅れている現状にあると言えるのではないでしょうか。
また、排出量取引制度に関しては現状導入されていないものの2026年から本格稼働の見込みです。
加えて、日本政府は「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しており、より一層脱炭素が加速するよう、政策や取り組み、炭素価格の引き上げなどが行われるのではないでしょうか。

まとめ

・カーボンプライシングとは;企業などが排出するCO2(カーボン、炭素)に価格をつける政策手法で、主な制度としては「炭素税」と「排出量取引制度」があります。
・炭素税は、政府が炭素価格を直接的にコントロールする手法で、排出したCO2に対して課税する仕組みです。
・排出量取引は、政府が排出「量」をコントロールする手法で、排出枠の交付総量を設定した上で、排出枠を 個々の主体に配分するとともに、ほかの主体との排出枠の取引やクレジットの活用を認めること等を内容とするものです。
このような政策手法によって、世界がカーボンニュートラルに向け進んで動いています。

メンバーズでは、企業のニーズに合わせてLCA実施を支援しています。高収益低炭素へとビジネスモデルを変革し「持続可能なビジネス成長」や「低炭素な暮らし」といった新たな価値の創出を目指します。脱炭素推進を検討されている企業は、お気軽にお問い合わせください。

参考

国内排出量取引制度について
https://www.env.go.jp/content/900444398.pdf
脱炭素に向けて各国が取り組む「カーボンプライシング」とは?
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_pricing.html
諸外国における排出量取引の 実施・検討状況
https://www.env.go.jp/content/900444420.pdf
炭素税について
https://www.env.go.jp/council/06earth/%E7%82%AD%E7%B4%A0%E7%A8%8E%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf

ライター情報:鈴木 初菜
株式会社メンバーズ CSV本部所属の脱炭素DXクリエイター。メンバーズのVisionに共感し、2023年メンバーズヘ新卒入社。現在脱炭素DXを推進しています。

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