これを押さえればAll OK ! 脱炭素に関するグローバルイニシアティブ前編
はじめに
メンバーズの「GX人材」によるこのマガジン。「脱炭素経営」を目指すために必要なプロセスや手法について、読者の皆さんとともに学びを深め、ともに歩んでいきます。
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菅前首相が2020年に日本は2050年までにカーボンニュートラルを実現することを宣言して約3年が経過しました。それに合わせて企業の目標設定や情報開示も盛んになってきています。一方、様々な組織が様々なイニシアティブを発足し、規格を定めていることもあり、一見すると乱立しているようにも見えます。そこで国際的なイニシアティブの代表格の概要を2回に分けてご説明いたします。
イニシアティブの名前と機能
日本でよく知られているイニシアティブは主に4つあり、TCFDは情報開示、SBTは目標設定、CDPは評価認定、RE100は目標設定のための規格です。イニシアティブ(コンソーシアム)というぐらいなので脱炭素に留まらず、環境というテーマに紐づく様々な分野の団体が運営しており、イニシアティブをまたいで参画しているケースもあります。自社のサステナビリティ部門の方との議論が活発になった際、そもそも何を目的に対応するのか見失うケースがありますので、まずはこの4つの名前と機能を押さえておくと良いでしょう。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース、Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
TCFDはG20の要請を受け、金融安定理事会(FSB。各国の金融関連省庁及び中央銀行からなり、国際金融に関する監督業務を行う機関。)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立されました。
基本分野は、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4つの分野からなり、シナリオ分析を開示します。現在はGHG排出量、移行リスク、物理的リスク、気候関連の機会、資本配備、ICP、報酬の7つの指標と目標の開示が推奨されています。日本においては、2018年にTCFDコンソーシアムが設立され、情報提供や推進を行ってきました。
TCFDはプライム市場上場企業には実質的な義務となっていることが最大の特徴です。日本証券取引場のコーポレートガバナンス・コードの補充原則3-1③後段には「TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきである(※1)」と記載されています。今年の6月に国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、最初の基準であるIFRS S1号及びIFRS S2号を公表しており、これがTCFDと同等の開示になると見られていますが、現時点では、TCFDのみが唯一の枠組みとなっています(※2)。
まとめ
前編では、プライム上場企業に実質的な開示義務があるTCFDを取り扱いましたが、後編では、TCFDと相互補完があるSBTとCDP、それから再生可能エネルギーの普及に関わるRE100について解説いたします。
メンバーズでは、デジタルの技術を駆使して、脱炭素と企業成長の両立を支援します。この記事のような基本的な知識のインプットから、本格的なLCAなど脱炭素に関する様々なご依頼にお応えしますので、お気軽にお問い合わせください。
引用資料
※1 日本証券取引所 コーポレートガバナンス・コード https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jdy-att/nlsgeu000005lnul.pdf
※2 日本証券取引所 FAQサイトhttps://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge8348.html
参考資料
TCFDコンソーシアム TCFDとは
https://tcfd-consortium.jp/about
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のサステナビリティ開示基準について
https://www.asb.or.jp/jp/ifrs/press_release_ssbj/y2023/2023-0626.html
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