返礼品から環境意識もおすそ分け
みなさんはふるさと納税をしたことはありますか?
今回はふるさと納税に関してのシグナルです。
ふるさと納税は近年、地球環境を守る一つの鍵となっているかもしれません。
アップサイクルをしたお礼品がトレンドに
気候変動における影響が世界中で進む中、ふるさと納税でアップサイクルをしたお礼品やサステナブルなお礼品がトレンドになっています。2019年から2022年にかけて、SDGsに関連したお礼品の登録数は25倍以上、寄付件数は約6倍に増加しました(※1)。具体的にどのようなふるさと納税の返礼品があるのでしょうか。
自治体とアップサイクルしたお礼品
ふるさと納税では、アップサイクル商品やサステナブルなお礼品を扱う地域の動きが高まっています。その地域の一つが東京都墨田区です。
東京都墨田区では、山の重なりを表現した野生の鹿革と牛革の切り返しが特徴的なレザートートバッグをお礼品として販売しています(※2)。
駆除された野生鹿革を再利用したアップサイクルレザーを生地に使用し、回収したプラスチックゴミからリサイクルされたポリエステル糸とキュプラで織ったオリジナル生地を裏地に使用しています。このトートバッグは、アップサイクルされた素材を使用しているということだけでなく、透湿性や耐久性があることも特徴のひとつです。
ふるさと納税としてアップサイクルをしたお礼品が拡大を見せている理由は、人々の環境問題に対する関心が高まっているだけではないかもしれません。
個人だけではなく、自治体全体から社会貢献に関する動きが増えていることから、ふるさと納税としてアップサイクルをしたお礼品の需要が拡大しているのではないでしょうか。
産業廃棄物が料理の必需品に
たとえば、岐阜県大野町の返礼品「油取り粉(ゆとりこ)」は、料理で活躍するサステナブルな商品です。
現在、油汚れを落とす方法として家庭用洗剤による洗い流しが一般的ですが、この方法では油はそのまま排水管を通り、海に流れてしまいます。また、排水管の中で固まってしまうと、排水管を詰まらせる原因にもなりかねません。
そこで、産業廃棄物の石膏ボードからできた「油取り粉(ゆとりこ)」を用いると、家庭から出る油の流出を防ぐことができます。一般的な油凝固剤とは異なり、さらさらな状態のまま油分を吸収してくれるため、2、3回程度再利用可能でキャンプやBBQの後片付けにも最適です(※3)。
また、「油取り粉(ゆとりこ)」は硫酸カルシウムで構成されているため、使用後は田畑の肥料など土壌改良剤として活用できます。油をとるだけでなく、その後も再利用できるため、物を循環して使用していることがわかります。アップサイクルをしている特徴があるだけでなく、サーキュラーエコノミーを実現しているといえるでしょう。
以上のように、ふるさと納税の返礼品として、サステナブルな商品を出すことで、物の使い方を考えるきっかけや、自然環境を守るはじめの一歩になるのではないでしょうか。
ここから見えるシグナル
ふるさと納税としてアップサイクルをしたお礼品が拡大を見せている理由は、人々の環境問題に対する関心の高まりと、自治体全体の社会貢献の動きの拡大がうかがえます。
このような動きから消費者は単なる地元の特産品だからという理由で返礼品を選ぶだけでなく、環境に配慮をした製品かどうかということもお礼品を選ぶ指標の一つになっているのかもしれません。
また、岐阜県大野町の返礼品「油取り粉(ゆとりこ)」などの返礼品から、シングルユースではなく、物を長く使い続けることの大切さを伝えるメッセージも込められていると考えられます。
エシカル消費を自ら進んでやっていたとしても、自分の中で完結してしまう行動だと本当に地球環境のために行動できているのか、なかなか把握しづらい点があります。だからこそ、ふるさと納税のお礼品を通じて、人から人へ渡ることが持続的なエシカル消費の鍵になると考えられます。お礼品を通じて、自分の選択が誰かに伝わることで、アクションの可視化に繋がり、環境に配慮した行動の増加につながるのではないでしょうか。
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