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脱炭素時代の企業プロモーション~たった1つのシンプルな法則~

Z世代による社会変革をテーマとした前回の記事に続いて、今回は、当社が国内の一般生活者1,107人を対象に調査した「気候変動問題・SDGsに関する生活者意識調査(CSVサーベイ 2021年春)」の結果から気候変動関心層の購買行動と企業プロモーションを紐解いてみましょう。

高年収世帯ほど、地球温暖化への関心とエシカル商品購買意向の割合が高まる

今回、当社の調査結果でのハイライトの1つが、高年収世帯ほど地球温暖化への関心とエシカル商品購買意向の割合が高まることです。

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前回の記事で、ほぼ全ての年代で、地球温暖化に対する関心は高まっていることをお伝えしましたが、世帯年収でも同様の結果となっています。
そして、世帯年収が高まるほど、その傾向が強まることが把握できます。参考までに、回答者数1,107人の世帯年収の構成は以下の通りです。

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欲しい情報にたどり着けない生活者と情報発信に消極的な日本企業

そして、地球温暖化問題の解決やSDGsの達成に寄与する商品(以下、エシカル商品)を購入したいとする層は、全体の53%に上りました。しかし、エシカル商品を意識し、実際に購入した層は、17%に留まる結果となりました。
また、購入意向があったにも関わらず、エシカル商品を購入しなかった上位3件の理由は以下の通りとなりました。

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エシカル商品の存在そのものが分からない、どのような企業がエシカル商品を販売しているのか分からないといった理由が購入に至らない主な理由です。

我慢を強いられたり、価格が高い商品やサービスを選ぶ必要があったのが、これまでの地球温暖化対策でした。
しかし、当社の調査では価格以上に、どのような商品がエシカルなのかを生活者が求めていること、そして、そうした情報を求めているにも関わらず、欲しい情報にたどり着けない生活者とそれらの情報発信に消極的な日本企業が浮かび上がります。

陰徳はもはや美徳ではない~脱炭素時代の企業プロモーションの法則

こうした調査結果から、企業が今求められるのは、環境や社会に寄与する取り組みと商品・サービス情報とを関連付けて訴求する積極的な情報発信です。
価格や機能といった必要最低限の情報提供はもちろんですが、それに加えて、環境価値や社会的価値の情報発信は、脱炭素時代においてもはや生活者のニーズであると言えます。


「なんだ、そんなシンプルなことか」と思われるかもしれませんが、多くの日本企業は、Webサイトで環境価値や社会的価値を訴求していますが、残念なことにそうした情報は、「サステナビリティ」や「CSR」といったメニュー内に留まっているのが現状です。
ほとんどの企業が気候変動対策に寄与する商品を提供しているにも関わらず、「商品・サービス」メニュー内ではほとんどその価値が訴求できていないばかりか、そうしたサステナビリティ情報は、「商品・サービス」メニュー内には全く掲載されていません。


投資家視点はESGを重視し、生活者はエシカル商品の情報を求める時代が到来しています。多くの日本企業や環境・社会的な価値を「商品・サービス」メニュー内で訴求できていないことは、未だ盲目的に陰徳は美徳であることを過信していると思わざるを得ません。縦割りの組織がその要因かもしれません。

サステナビリティ先進企業に学ぶ~環境価値は商品選択の重要な判断基準である

環境配慮型商品の提供で有名な「パタゴニア」はもちろん、シリコンバレーで火がつき、最近は日本でも有名やスニーカー「AllBirds」、UK発のコスメメーカー「LUSH」などのサステナビリティ先進企業と言われる各社は、「商品・サービス」情報と「サステナビリティ」情報をうまく融合し発信するベストプラクティスと言えます。

▼パタゴニア Tシャツ情報ページ

▼Allbirds ランニングシューズ情報ページ

▼LUSHバスボム(入浴剤)情報ページ

また、最近Allbirdsは、「カーボンフットプリント算出キット」を開発、公開しています。

サステナビリティ報告書や統合報告書で主に投資家向けに発信してしたCO2排出量やサステナビリティ情報。海外のサステナビリティ先進企業は、生活者のニーズに応える積極的な情報発信を行っていることが理解できるでしょう。
前述の世帯年収との相関関係から、より高額な商品のプロモーションには効果的な施策になり得ることが調査からも明らかになっています。
私たちがコンビニやスーパーで食品を選ぶ時に、カロリーや原材料を気にするように、近い将来、日本でもカーボンフットプリントや環境や社会的価値の情報が商品選択の際の判断基準の1つになる、そうした社会の到来を信じて。

ライター:萩谷 衞厚
2015年5月よりメンバーズ入社。様々なCSV推進プロジェクトを担当、2018年よりSocial Good Companyの編集長を務める。

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