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家具って何だろう?

みなさんの生活に欠かせない家具。しかし、家具を買うときに環境負荷を考えて選ぶ人はどれだけいるのでしょうか?今回は家具を通して自分の生活を豊かにするだけでなく、地球も豊かにできる方法を探っていきます。

家具を取り巻く問題

実は、家具や家具業界はさまざまな問題が取り巻いています。
たとえば、家具を使用する一連の流れを考えてみても、輸送の際に二酸化炭素を排出しますし、一般的に廃棄された後は焼却処分されるので、二酸化炭素はもちろん有害な物質であるダイオキシンも排出されます。木材など、材料となる素材にも水やエネルギーを使っているので、短いサイクルの家具の浪費は資源の消費を助長します。他にも、家具の接着剤に有害物質が含まれていることもあり、サステナブルでない家具は問題をはらんでいます(※1)。

今回は、リサイクルやリユースの観点で、今あるモノをどう使い続けるか、家具として活かすか、に焦点をあてていきます。

所有から共有へ

家具は生活費需品とはいえ、必要なモノや期間は人によってさまざまです。転勤や引っ越しでまだ使える家具も破棄されている場合もあるでしょう。

そこで、家具と家電のレンタル・サブスクサービスを提供している『CLAS』では、家具を捨てずに再利用して循環させるビジネスを展開しています。そして、この循環により、これまで5万点以上の廃棄を回避してきました(※2)。循環型社会の形成を目指す京都市とも共創しており、「所有しない利用」の促進を通じて、市民に向けて生活様式の見直しのきっかけを与えています(※3)。

家具は、買って自分だけのものとして所有するという考え方が一般的ですが、その固定観念を変える時が来ているのかもしれません。家具を所有するのではなく、複数人が利用するリユースが浸透すれば家具や家電の無駄な購入も削減できるのではないでしょうか。

ソファ

素材を再利用する家具

自分の使っている家具が何からできているか、気になったことはありませんか?

ストックホルムでは、海藻を摸した、曲線が美しいデザインの緑の椅子が活用されています。実はこの椅子、海中にゴミとして存在している漁網をリサイクルして3Dプリントで作り上げられているのです。この椅子はスウェーデンのデザインスタジオ「Interesting Times Gang」が発表した、新しい家具コレクション「Kelp」で、20ヘクタールの森林に相当するCO2排出を抑えることができるそうです(※4)。

これは、ゴミから素材としての可能性を見いだすことで、新たなモノに生まれ変わることができる例ではないでしょうか?すてきな家具がほしい/作りたいという想いと地球に優しいマテリアルを使ったモノがいい/使いたいという考えを組み合わせたデザイン。3Dプリンターを活用している点からも、家具の開発の新たな兆しが見えます。

ゴミって何だろう?

「使い古された家具から“Uneven Structure Furniture”を作る」という、提案のもとモノづくりをする『GMKR』。廃棄家具から椅子や花瓶などさまざまなインテリアを生み出しており、ゴミを使い新たな家具づくりに挑戦しています。加えて、細部までこだわってある破棄家具のパーツと創造性を組み合わせた“Uneven Structure Furniture”は、ただの家具を超え、アートとしての側面を見せています。アップサイクル商品などでも多く見られる唯一性は、環境に関心がある方だけでなく、自分の家具に意味を持たせたい方に刺さるかもしれません。

廃棄家具には環境配慮や機能性を超えた存在として昇華できるのではないのでしょうか?

ガラクタ

ここから見えるシグナル

家具を共有したり、ゴミからつくったり、今回紹介した事例だけでも家具をサステナブルなものにするためにいろいろなアプローチがあるのが分かります。しかし、家具のリユーズやリサイクルなどを行う事例をみていくと、「家具ってなんだろう?」、「ごみってなんだろ」と、そんな疑問が湧いてきます。

木でできているものだ、買って自分用に使うものだ、家具は機能性があるものだ、そういった常識や無意識の決めつけが家具の可能性を狭めているのかもしれません。しかし、身近なものだからこそ、感性を刺激するような工夫が必要なのではないでしょうか?家具は1つの用途や意味だけでなく、「みんなでシェアするもの」や「ゴミ」、「アート」など、新たな意味をもつものになっているのかもしれません。

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本投稿以外にも、Signals for future(Instagram)では、他にもたくさんの未来の兆し(シグナル)について投稿していますので、ぜひご覧ください!
Signals for future:https://www.instagram.com/signals_for_future/
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※1 サステナブルな家具とは?特徴や家具業界が抱える問題を解説|グリーングロワーズ
※2 CLAS
※3 家具・家電のサブスクリプションサービス「CLAS」、京都市主催の公民連携・課題解決推進事業「KYOTO CITY OPEN LABO」に採択
※4 漁網をリサイクルして3Dプリントした 家具コレクション「Kelp」 | Webマガジン「AXIS」 | デザインのWebメディア
※5 ゴミを使い新たな家具づくりに挑戦するブランド『GMKR(ゴミカラ)』THE GOODLAND MARKET 堀江店にて限定販売開始

ライター情報:
倉岡美亜

早稲田大学 国際教養学部卒。大学ではマイノリティなどについて研究。小学2年生からガールスカウトとして活動。2022年にメンバーズ新卒入社し、社内外のサステナブル推進を担う。

梶原実乃梨
法政大学 人間環境学部卒。大学では地方創生や農業について研究し、長期インターンではSNS運用を経験。SDGs達成に向けた学生団体で活動。2023年にメンバーズに新卒入社し、プロモーション領域を経験しながら、社内のInstagram運用を担当。

水戸結衣
日本大学 商学部卒。大学ではマーケティングについて研究。2023年にメンバーズに新卒入社し、サスティナブル推進の一環として社内のインスタグラム運用を担当。

田中悠大
経営学部卒。組織論を中心にダイナミックケイパビリティについて研究。2023年にメンバーズに新卒入社し、非営利団体の広告運用を担当。現在は留学先企業でGAIコンサルタントとして、最新の生成AI事例収集や生成AI導入支援を行なっている。

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