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サーキュラーな社会を金沢大学300人の学生とともに(後編)

本記事は、脱炭素DX研究所外部研究員を務める八木橋パチさんによる寄稿記事です。前編中編・後編と3部に分けてお届けします。

前編中編では、金沢大学で行われたサーキュラーデザインのワークショップの様子をレポートしました。最終回となる後編は、同大学の河内准教授と、ティーチングアシスタントの艫居さんに伺ったお話を綴っていきます。

楽しみながら続けるためのデザイン(艫居美穂子ティーチングアシスタント)


「この先生メッチャ教えるの上手い!ヤバくない?おれたちが何に困っていて、どんな助け舟が欲しいのか、全部先回りして理解している。」

そんな声が参加している学生たちから聞こえてきた。筆者も同感だ。河内准教授をサポートしつつ、自ら講座を受ける学生でもあるティーチングアシスタントの艫居さんにも話を聞いた。

「もともと環境問題に興味はあって、ボランティアとしてNPOの活動などにも参加していたんですけど、モチベーションの維持に難しさを感じていたんです。
そんなときに、河内先生による4日間の「SDSs基礎」の授業に参加して、私はすごく感動して。『SDGsは理想として語るものではなく、自分ごとにして行動するためにある』という先生のスタンスにすっかり惚れ込んでしまい、以来、河内先生の研究室に入り浸っています。」

艫居さんは続ける。

「結局、『意味づけの問題』なんだと思います。私が以前ボランティアをしていた団体は、参加者の感情はおいてけぼりにされるというか、『良いことなんだから結果に関係なく活動を続けるのが当然』というスタンスで…。それが悪いわけではないけれど、やっぱり続けていくのが難しくて。
その点、河内先生は、続けるための意識の保ち方や、実際に社会に与える成果をとても大事にされていて。それで、私は先生と一緒に『金沢大学ぐるぐるラボ』の企画・運営もご一緒させてもらっています。

それから、こちらはぐるぐるラボが直接運営しているわけではないのですが、昨年からは『旅と海ごみ』という、万博共創チャレンジにも参画しているプロジェクトにも関与させてもらっています。おしゃれな魚型のごみ箱をみんなで組み立てたり、シェアしたくなるごみ計量カウンターを設置したり、ごみ拾いビンゴゲームを開催したり。随所に楽しみながら続けるためのデザインがちりばめられているんです。

社会変革を後押しする「力ある消費者」を育てるために

最後に、この日河内准教授に聞いた「このワークショップを通じて一番成し遂げたいこと」を紹介する。

「私は、生徒や市民に『社会変革を後押しする、力ある消費者』になって欲しいと強く願っています。社会は自分たちで変えられるのだとまず知って欲しいし、自分自身を『社会課題を解決する当事者』と捉えて欲しいんです。だって、私たちには、企業をサーキュラー型へと転換させる力があるのだから。

どれだけ莫大な知識を手にしたとしても、それだけでは、人は変化を生みだすための役割を、自らに与えようとはしません。授業の限界は把握しています。

でも、見る目を養いアプローチの仕方を知ることで、応援すべき製品や事業を選べる「力ある消費者」になることはできるし、その先に、地球環境問題への挑戦を続けるための『自分自身にとって心地よいやり方』を、創造的に見つけることができるようになります。

そしてサーキュラーデザインを体感していれば、購入を通した賛同意思の表明だけではなく、その効果を強めたりスピードを早めたり、あるいは相乗効果(シナジー)を生みだすための提案を企業活動に対してできるようになります。あるいは、もし、ある企業のサーキュラーへの取り組みが別の課題を生み出すコンフリクトを起こしていれば、それを指摘して取り組みの変更を求めることもできるでしょう。

学生だけではなく、この記事を読まれるすべての方に、自分の中にあるワクワクや、社会に対して感じる違和感を大切にして欲しいと伝えたいですね。
なぜならそれこそが、あなたを形作るかけがえのない宝物だから。」

ライター情報:八木橋 パチ
コラボレーション・エナジャイザーとして、日本アイ・ビー・エムを中心に、持続可能な未来の実現に取り組む組織や人たちとさまざまな共創活動を取材・実践・発信中。メンバーズとは未来デザイン・ワークショップやイベントの共創を2018年から定期的に行っている。合言葉は #混ぜなきゃ危険

その後、再び河内准教授にお話を聞く機会があり、サーキュラーな社会をつくるために大切な姿勢やチカラをお伺いしました。また別のnoteでその内容をお届けしますのでお楽しみに!


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