サーキュラーエコノミー戦略 #5 Inform
「Circularity Deck」は、5つの戦略と3つの階層で構成された51の戦術から構成されているカードツールです。「Circularity Deck」の紹介はこちら。
概要
情報技術を使用して、Narrow、 Slow、Close、Regenerateを支援する戦略、それがこの「Inform(インフォーム)戦略」です。
インフォームは「情報・知識を与える」という語意。システム化やデジタル化などにより、従来にまったくないモデルをDXの力を用いてもたらすニュアンスを持ちます。
解説
サーキュラーエコノミーを実現するためには、情報技術は欠かせません。
企業は以前から、デジタル技術を活用することで自社のビジネスプロセスをデジタル化し、業務効率やコスト削減を目指してきました。製品設計の段階から長期利用やリサイクルのことまで配慮することができる、重要なステップといえます。(現状のビジネスモデルのデジタル化)
現状のビジネスプロセスのデジタル化が進化した形が「デジタル革命(DX)」です。現状のビジネスモデルを根幹から見直し、デジタルファーストで考えることにより、現状のビジネスモデルそのものを変革することを指します。
たとえば、需要予測をヒトの経験予測からAIによる予測に切り替えたり、データ収集できていなかった分野において、IoTを利用して製品状態のデータを収集したりする。その結果、製品の長寿命化などにつながる製品開発や改良を行ったりすることが可能となります。
また、最近では衣料やバッグ、化粧品などでは月額制のレンタルサービスをよく見かけるようになりました。これは、利用回数が増えるほど好みの洋服が届きやすくなるユーザー価値もある一方で、洋服の稼働率やリサイクルに向けた回収率が高まる新しいビジネスモデルです。
ほかにも、類似サービスとして、利用量に応じてメンテナンス費用を含めた料金を「使った分だけ」支払うというSaaS(サービス・アズ・ア・サービス)なサービスが増えてきています。照明器具、エアコン、タイヤなどがそれです。
収集したデジタルデータは、データを解析して利用者の使用環境に合わせた製品に変更したり、新製品開発時に利用できるというメーカー側のメリットを生むだけではなく、稼働状況や消費電力をデータ提供することで省エネなどの利用者にとってのメリットにもつなげることが可能です。
インフォームの目指す方向性はDX化。サーキュラーエコノミー実現のためには、国、地域、業種を超えた複数企業の連携が必要となってきます。そのためにも、IoT、AI、ブロックチェーン、AR/VRなどのデジタルの活用は必須といえます。
戦術
Circularity Deckにおいて、インフォーム戦略は次の11の戦術から構成されています。
まとめ
これを実現するための主な手法としては、AIを使い新素材を開発する、デジタル化・仮想化を検討する、製品寿命に直結するデータや製品の状態、場所、可用性を追跡するなどが当てはまります。
*この記事の情報は 2023年5月メンバーズコラム掲載当時のものです。
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