脱炭素社会へ一足跳びする方法<後編> 価値あるケタ外れのアイデアを考える!
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脱炭素社会へ一足跳びする方法<後編> 価値あるケタ外れのアイデアを考える!

今回は、『脱炭素社会へ一足跳びする方法<前編>  指数関数的な成長を支える「野心的な変革目標」とは?』に続いて、後編をお届けします。

野心的な変革目標を掲げたあとに、どのように価値あるケタ外れのアイデアを考えるのか?ムーンショットを実現するための具体的な考え方や手法を紹介しましょう。

関係者の多様性を重視しイノベーションの価値を高める

すでに言い尽くされてきたことではありますが、「アイデアを考える時やチームを編成する場合、関係者に多様性を持たせた方が、イノベーション価値の高いアイデアを生み出す確率が上がる(※)」ことを、私が実感した体験をもとにお伝えしましょう。

※引用:『「学際的コラボレーション」のジレンマ』 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2004.12

新規事業を考えるためのワークショップをあるお客さまと一緒に企画している時のことでした。お客さまは、社内で議論を重ねても、自身の業界に対する固定観念や、先入観が邪魔をして新しいアイデアが浮かばない、会議が活性化しないなどの課題を抱えていました。

そこで、お客さまと一緒に取り組んだのが、新規事業の対象となる業界とは全く無縁のフリーランスや専業主婦、大学生など、社外のワークショップ参加者をリクルーティングし、社内外のメンバーが一緒にワークショップを行うことでした。

ワークショップでは、社外の参加者から、その業界の古くからの習慣やルールを、良い意味で考慮しない積極的な意見が出たことで議論が活発になり、ワークショップが大いに盛り上がったのを記憶しています。

多様な関係者が参加する場を設けることは、アイデア創出のための近道であることを実感した瞬間でした。社内のワークショップに社外の多様な参加者を含めるのは時間や手間がかかりますが、その労力をカバーするだけの成果を得られるはずです。ワークショップを行う時には、社内外問わず、多様な関係者を広く集めること、皆さんもトライしてみましょう。

異なる2つの要素を無理やり組み合わせケタ外れのアイデアを考える

アイデアを考える上で有名なフレームワークの1つに、ブレーンストーミングの考案者 A・F・オズボーンによる発想法「オズボーンのチェックリスト」が挙げられます。

「拡大したら・・」「縮小したら・・」「逆にしたら・・」などの9つのチェックリストで構成される、アイデアをひねり出すための手法ですが、その中の1つ、「組み合わせたら・・」を実践するためのユニークな方法があります。

前編のコラムで紹介したシンギュラリティ大学でも実践する方法ですが、その内容は書籍『エクスポネンシャル思考』でも紹介されています。その「組み合わせたら・・」のワークを機能させるためのツールが「ぶっ飛んだアイデアが生まれる28枚のカード(エクスポネンシャル・カード)」なのです。

『エクスポネンシャル思考』によれば、「世界を変えるようなイノベーティブなアイデアは、テクノロジーとテクノロジーの交差点で生まれる」ということで、まさにこのカードは、ぶっ飛んだアイデアを考えるためのツールなのです。

28枚のカードには、ビッグデータ分析、人工臓器、デジタル取引、自動運転車、ナノ素材、機械学習などの先進のテクノロージーが記載されています。ある課題に対して、28枚のカードの中からランダムに2枚のカードを引き、2つのテクノロジーの組み合わせにより解決できるアイデアを数分の限られた時間で考え、発表し合うプロセスを繰り返すことは、アイデア創出のワークとなります。

私も数年前に『エクスポネンシャル思考』の著者 斎藤和紀氏主催のワークショップに参加し、ワークを実践しました。一見、困難と思えるこのワークが、時間の制限や2つの異質な要素を無理やり組み合わせるという制約が、かえってアイデア創出の手助けになっていることを体感できました。

(以下、書籍『エクスポネンシャル思考』引用)
3Dプリンタとデジタル取引の交点には何が生まれるでしょうか。あるチームからは、ATMの3Dプリンタ化というアイデアが出てきました。また、別のチームからは、遺伝情報をフロックチェーンに乗せて取引できるプラットフォームを作る案も出てきました。

効果的なアイデアを効率的に生み出すためには、優れたフレームワークやツールを有効活用し、限られた制約の中で、不完全でも未熟でもいいから無理やりアイデアをひねり出すこと。そして、イノベーティブなアイデアを生み出すための確率を高めるために、多くのアイデアを生み出すことの重要性を実感することになります。

エクスポネンシャル・カード

ワークショップに参加した際にいただいた「エクスポネンシャル・カード」

まとめ:ルネサンス期のフィレンツェは多様な人材が交わる交差点だった

ミケランジェロやダ・ヴィンチのパトロンとしても有名で、ルネサンス期に銀行業で財をなしたメディチ家は、様々な分野の文化人やアーティスを支援したことにより、多様な才能を持ち合わせた多くの人材がフィレンツェに集結しました。異なる分野の文化や学問、芸術が交差し、混じり合ったことで、15世紀のフィレンツェを中心としたルネッサンスが花開いたと言われています。
2050年の脱炭素社会には、これまでの化石燃料に頼る社会からの転換が求められています。新しい社会のあり方、新しいライフスタイルの実現に向けて、私たちはどのようなアイデアが求められるでしょうか?その1つの答えが、多様な人と人、先進的なテクノロジーを組み合わせることにあります。まずは、メディチ家を倣い、異質な要素が交わる場を作ることからはじめてみましょう。

ライター:萩谷 衞厚
2015年5月よりメンバーズ入社。様々なCSV推進プロジェクトを担当、2018年よりSocial Good Companyの編集長を務める。

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