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スポーツの力が地球を支える

10/13(金) MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023でカナダとの親善試合に臨み、4-1で快勝した日本。国際Aマッチで5連勝を飾り、4試合連続で4ゴール以上決めるなど、大いに盛り上がりを見せているサッカーですが、実はこのままだとこれまで通り試合を楽しめなくなる日が来るかもしれません。

気候変動によるスポーツの影響とは

地面に強く打ち付ける雨

気候変動による気温上昇が進み、スポーツにも大きな影響を与えています。例えば猛暑日の増加で熱中症のリスクが高まったり、豪雨等の自然災害により、試合の中止や延期をせざるを得ない状況となっています。

またスポーツをすること自体も地球に悪影響を及ぼしています。例えば、スタジアムやイベントに伴い、膨大な電力やプラスチックを使用するため、化石燃料による電力や、ゴミの大量発生から、CO2の増加を促しているといえます。

これからも選手も観客も安全に楽しむために、そしてスポーツから低炭素化をするために、どのような取り組みが必要なのでしょうか。スポーツという観点から地球のためにできることを実践しているサッカーチームの事例を紹介します。

世界一環境負荷が少ないサッカーチーム

拮抗するサッカーの試合

イギリス南西部の町、ネイルズワースに本拠地を構える「フォレストグリーン・ローバーズ(以下:FGR)」は、国連が初めて「カーボンニュートラルなスポーツクラブ」と認めたプロサッカーチームです。

FGRがサステナブルな取り組みに舵を切ったきっかけは、2010年。
クラブのメインスポンサーがイギリスで最も環境に優しいエネルギー企業として知られる「エコトリシティ」へ変わったことから、サッカーを通して環境メッセージを届けたいという意識が芽生えたそうです。

FGRでは屋根にある太陽光パネルをはじめ、電力をすべて再生可能エネルギーでまかなっています。また、ピッチの芝生は化学肥料を一切使っておらず、水まきには雨水を使用する徹底ぶり。

さらに、エコへのこだわりは、ユニフォームにも現れています。
原材料の50%に竹を使用することで、ユニフォーム生産に使用されるプラスチックを大幅に削減することに成功しました。竹は短期間で急速に成長するため、潤沢に資源が供給できる持続可能性を持つだけでなく、耐久性にも優れています。既成の枠にとらわれない、竹製のサッカーユニフォームという発想も、いうまでもなく世界初の試みです(※1)。

これらの取り組みから、国連だけでなく国際サッカー連盟(FIFA)も「世界一環境負荷が少ないクラブ」と評価しました。

現在はエコな新スタジアムを計画中で、「地球上で最も低炭素」と胸を張るスタジアムは、数年後に完成予定です。
FGRのサステナブルへの挑戦は続きます。

スポーツクラブによるCO2排出量の「見える化」

海辺にサッカーグラウンド

Jリーグのクラブ「ヴァンフォーレ甲府」は、認定NPO法人スペースふう、県内支援企業・団体の協力を得て2004年よりエコスタジアムプロジェクトを始めました。リユースカップや、ごみ減量化やCO2削減に努めており、2006年からはエコステーションを設置してごみの分別回収や一部のリユース食器も導入しました。その結果、2004〜2021年まで累計1,004,000個、77.4トンのCO2量の削減に成功しました。77.4トンという量は、5,522本の杉の木が1年間吸収する量と同じなのだそう!

また、2019年からは、スポーツ団体を対象にCFP(カーボンフットプリント)の算定を実施。東京都市大学伊坪徳宏研究室が「気候変動」に関わる事項について質問するCDP気候変動質問事項を活用し、スポーツ団体に則した質問書を作成しました。ヴァンフォーレ甲府はその質問書に回答することでCO2の「見える化」を行いました(※2)。

今後ヴァンフォーレ甲府は、活動から生まれるCO2排出量の見える化に関心のあるスポーツ団体や、CFPの算定を行いたい中小企業と一緒に、CO2など温室効果ガスの排出量削減への行動を地域一体となって進める予定だそうです。

ここから見えるシグナル

気候変動による天候の問題や、試合における膨大な資源の使用による環境負荷がスポーツの大きな問題となっています。だからこそ、スポーツチーム全体として、気候変動問題に取り組むことが必要です。

FGRやヴァンフォーレ甲府のような取り組みはチームに所属している選手だけでなく、そのサポーターや拠点地域の人々などにも広く知られ、気候変動問題に向き合い行動を動かすきっかけになるといえます。

それだけでなくサッカーはチームとしてはもちろん、人と人が信頼関係を築く、地域の繋がりを増やすなど、ポジティブな効果をもたらしてくれます。スポーツだからこそ生まれる団結力こそが、サスティナブルなアクションの増加をさらに推し進められるのではないでしょうか。

FGRのあるサポーターがこのクラブが好きな理由の一つにグリーンだからということが挙げられていました。これから、サッカークラブを好きになる理由の中に、気候変動に対する行動がされているかどうかが重要視される日が来るかもしれません。

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【引用】
※1 “世界一エコ”英サッカークラブ 気候変動問題に挑む
※2 SDGsへの取り組み | ヴァンフォーレ甲府 公式サイト

ライター情報:
梶原実乃梨
法政大学 人間環境学部卒。大学では地方創生や農業について研究し、長期インターンではSNS運用を経験。SDGs達成に向けた学生団体で活動。2023年にメンバーズに新卒入社し、プロモーション領域を経験しながら、社内のInstagram運用を担当。

水戸結衣
日本大学 商学部卒。大学ではマーケティングについて研究。2023年にメンバーズに新卒入社し、サスティナブル推進の一環として社内のインスタグラム運用を担当。

柴森詩帆
経済学部卒。大学ではマーケティングについて研究し、インターンやゼミでSNS運用を経験。2023年にメンバーズに新卒入社し、データ領域を経験後、社内のInstagram運用を担当している。

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