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気候変動コミュニケーションのいま

今年もカンヌライオンズの受賞作品が発表されましたね!今回はマスコミやカンヌライオンズの今や、気候変動のメッセージがどのように伝えられているのかについて、見ていきたいと思います。

カンヌライオンズから見る広告のいま

皆さんは「カンヌライオンズ」を知ってますか?
カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル、通称「カンヌライオンズ」は、1954年に設立された世界最大規模の広告・コミュニケーションフェスティバルです。毎年6月に開催され、今年も受賞作品が発表されました(※1)!

気候変動に関連したクリエイティブとしては、業界の新しい方向性を示し、未来的で創造的な作品を評価する「Titanium Lions」のカテゴリーから「The First Digital Nation」、ブランドとクライアントをつなぐような作品を評価する「Creative B2B Lions」から「Eart4」が、今年は受賞しました(※1)。

  • The Government of Tuvalu 「The First Digital Nation」
    海面上昇により消滅の危機にあるツバルが、デジタル空間でしか存在しない国にならないように、気候変動に取り組む大切さを訴えています。

  •  B3 Stock Exchange & United Nations Global Compact 「Eart4」
    地球の状況を株価に表すことで、ビジネス界のリーダーたちを地球温暖化対策に巻き込むプロジェクトです。

カンヌライオンズで受賞している作品は、広告で伝えているメッセージの大切さはもちろん、人々の興味・関心を引くクリエイティブになっていることが特長です。
最近では、気候変動に限らず、社会問題に取り組んだプロジェクトや商品の広告が多く受賞しています。さまざまな業界の企業や組織が社会問題を解決することの重要性や、それをクリエイティブに伝える必要性を認知している証拠です。

▽環境問題を取り上げている過去の受賞作品

テレビ局は何を伝える?なぜ伝える?

メディアといえばテレビ局を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
国連と「SDGsメディア・コンパクト」加盟メディアは、「1.5度の約束ーいますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」というキャンペーンを昨年はじめて立ち上げました。メディアの力を通じて、気候変動対策のアクションを呼びかけたのです。そして、このキャンペーンの一環として、テレビ朝日、フジテレビなどの民放とNHKの6局が共同で動画を公開しました(※3)。

パリ協定で掲げられた1.5度目標へのタイムリミットが迫るなか、気候変動に対する具体的な対策は必須です。動画では、専門家が分かりやすく気候変動に関する疑問に答えたり、国連が提言している「個人でできる10の行動」を紹介したりと、幅広い層に気候変動の知識や取るべき行動について届く内容となっています(※3)。

一方海外では、イギリスの大手放送局BBCが「Climate Creatives」と題し、気候変動について伝える取り組みを行っています。BBCはメディアという発信する立場のの責任として、気候変動を伝えていくことを強く感じており、報道部門だけでなく、ドラマやドキュメンタリー部門など、テレビ局がもつ幅広いカテゴリーを通し、そのカテゴリにあった伝え方を模索しながら、視聴者に情報を届けているそう!同時に、世界各国に発信しているメディアとして後進国の先進的な取り組みを取り上げたり、その地域の需要にあった情報を発信したり、持ち合わせる情報と求められる情報バランスを考えながら発信を行っています(※4)。

ここから見えるシグナル

カンヌライオンズの作品やテレビ局の取り組みで共通して見られたのは、「伝える」で終わらず「アクション」に移すことも大事だと訴えている点。

その方法として、カンヌライオンズは短い動画広告でクリエイティブに伝え、BBCでは身近なことを取り上げることで、視聴者に自分ごと化するよう工夫をしていました。

さまざまな企業や組織がキャンペーンを行っても、その企業・組織規模でしか変化を起こせなかったり、啓蒙で終わってしまうこともあります。しかし、いまのメディアは気候変動対策というメッセージを、クリエイティブなコミュニケーション方法を取ることで、視聴者にもアクションを促しています。言いかえると、気候変動の課題を視聴者との共創で解決することを目指しています。

マスコミはオーディエンスの大きさやインパクトのある作品を通す特性を活かして、より多くの人に、適切なコミュニケーション方法で伝えることが可能です。視聴者が受動的に情報を受け取るだけでなく、そこからアクションに移してもらうようなコミュニケーションをとることができるのではないでしょうか?

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本投稿以外にも、Signals for future(Instagram)では、他にもたくさんの未来の兆し(シグナル)について投稿していますので、ぜひご覧ください!Signals for future:https://www.instagram.com/signals_for_future/
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※1 カンヌライオンズ
※2 【速報】カンヌライオンズ2023「Titanium」部門グランプリ受賞作品まとめ | PR EDGE
※3 国連SDGメディア・コンパクト キャンペーン「1.5℃の約束―いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」民放 NHK 6局連動のオリジナル動画の公開について|PR TIMES
※4 Climate Creatives 2022 | BBC

ライター情報:倉岡美亜
早稲田大学 国際教養学部卒。大学ではマイノリティなどについて研究。小学2年生からガールスカウトとして活動。2022年にメンバーズ新卒入社し、社内外のサステナブル推進を担う。

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