脱炭素だけじゃない、グリーンスローモビリティが広がるワケ。
グリーンスローモビリティとは?
電気の力だけでゆっくりと走る乗り物「グリーンスローモビリティ」、通称「グリスロ」は日本各地の抱えるさまざまな課題の解決策として注目を集めています。2030年度に温室効果ガス2013年度比46%減を達成するためには、運輸部門からのCO2排出量を削減する必要があり、マイカーから公共交通機関への転換が不可欠です。
グリスロは、時速20km未満の電気自動車を活用した移動サービスのことであり、世界的な潮流である「脱炭素社会」「EVシフト」「自動運転化」にも貢献できる存在といえます。環境面に加えて人口減少や高齢化などの対策として、全国に広まっています(※1)。
では、なぜグリスロの普及が国内で進んでいるのか?その理由をお伝えしましょう。
グリスロが求められる日本の現状
【少子高齢化】
少子高齢化が進み、現在の高齢化率は27%(2030年に32%、2050年に約4割)。 人口減少も進み、2050年に1億人を割ると言われています。これは少子化と長寿命化によるもので、高齢者の高齢化が顕著になっています。
【無居住地域】
人口減は地方地域で顕著になり、無居住地域も増えていく一方で、 公共交通の衰退、高齢ドライバーの事故、移動手段に困る人の急増など、社会問題化されています(※2)。
【交通の姿】
大都市中心部の交通は、当面現在の姿が続くことになるでしょう。しかし、郊外部では、高度成長時代に整備されたニュータウン住居者の高齢化が進むなど、通勤・通学需要が減るため、公共交通は減便傾向にあります。過疎地域では、公共交通の持続性が問われドライバーも不足し、 マイカー依存が高くなっています。今後は高齢ドライバー支援の観点からも、テクノロジーの進化による自動運転が求められています。
脱炭素だけではない、地域課題も解決する多様な用途
【地域住民の「生活の足」として】
グリスロ自体が再エネを活用しCO2を排出しない電気自動車であることと、地域の足として活用する、つまり、高齢化が進む地域では、社会インフラとしての注目が高まっています。たとえば、最寄りのバス停・駅まで、近くの病院まで乗り合わせることも可能でしょう。またグリスロ自体が小型な車両が多いことから、バスなどの走行が難しいエリアでも運行でき、新しい人の動きを作ることも期待されています。
【観光地・観光客向けの新たなモビリティ】
グリスロは住民の生活移動に限らず、観光への活用も可能です。ゆっくりとしたスピードで走行するため、開放的な乗り物として肌で空気を感じ、観光を楽しむことができます。
グリスロ導入の意義とは?
グリスロは、住みたいまちに住みたい人が住み続けられる方法を考えるための、手段のひとつです。そして、高齢化、過疎化問題に対して自分たちで工夫していくことで暮らしの質を上げることができます。地域交通の利便性向上に加え、「自分たちのまちを暮らしやすくするために、自分は何ができるか?」を考えて実行する人を増やすための活動とも言えるでしょう。
※1:環境省 グリーンスローモビリティ
※2:国土交通省 2050年までに無居住化する 地点
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