「CSV経営…。ワクワクしながら社長やってる?」——メンバーズ社長に聞いてみた【前編】
皆さま、新年明けましておめでとうございます。旧年中は多くの方に記事を読んでいただき、たくさんのスキ♡で励ましてくださり、ありがとうございました。2025年も「脱炭素」「サーキュラー」「ネイチャーポジティブ」などなど、サステナビリティ関連のトピックをお届けしていきます。今年もどうぞよろしくお願いいたします!
ワクワクしながら社長をやっていますか?
パチ:社長就任から約1年半ですよね。突然ですが高野さん、ワクワクしながら社長をやっていますか?
高野:ワクワクですか…なるほど、たしかに突然ですね(笑)。ぶっちゃけで話さないと、パチさんはきっと更に激しく突っ込んでくるでしょうから、正直に言いますね。ワクワクは4割くらいですかね。
就任後のここ1年半は、リスクをとった経営戦略がうまくいかず、立て直しの戦略を前に出さざるを得ないというメンバーズにとって厳しい時期でした。でもようやくそれを乗り切りつつあります。ここからですね。
実際、社員のみんながワクワクしていないとどうしようもないですよね。そして私がワクワクしないで、社員の皆さんがワクワクしながら仕事することは難しいと思います。私の気持ちや心持ちみたいなものは、やっぱりみんなにも伝わると思うので。
パチ:そうすると、メンバーズのビジョンであるとか「高野色」みたいなものは、まだあまり現場に浸透していなさそうだ…と?
高野:これもものすごく正直に答えますけど、伝えられていないだろうと思っています。
ところどころでCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)についてや、気候変動に向けたメンバーズの取り組みについては話しているものの、不十分でしょう。この1年半で中心にしてきたのは会社の立て直しの話でしたから。
ここからあらためて、ビジョンとメンバーズの戦略について、しっかり伝えていきたいですね。
パチ:社長就任前から高野さんを知っているメンバーズ社員は「今は我慢のとき」という感覚を持って見ていたかもしれませんが、ここ1~2年で入社した社員は「あれ? …なんか話が違くない!?」と思っているかもしれないですね。
高野:そうですよね。社会課題解決に貢献したいという思いを持って最近入社した社員は、入社動機とのギャップを感じている可能性はあるだろうなと思っています。そしてもしかしたら、それは最近入社した社員だけではないかもしれません。ここからはもっと、社会を良くするための活動であることを感じられる仕事を前面に出して、思いに応えていかなくちゃいけませんね。
ただ、DX業務にフォーカスして語ることの多い「立て直し戦略」ですが、私の中では「立て直し」と「CSVや気候変動」はガッチリとつながった、一直線上にある話でもあるんです。
パチ:と言うと?
高野:大手企業のお客さまが新規事業を考える際には、なにかしらデジタル活用という手段を用いながら、デジタル変革(DX)が必須となりますよね。そして手段が用いられる先である目的は、今の社会、持続可能な社会を実現することを通じ自社の存在価値を示して高めていこうというSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)やGX(グリーン・トランスフォーメーション)となるじゃないですか。
つまり、メンバーズがこの1年半注力してきたDX支援は、SX・GXの基盤となるものです。SX・GXを視線の先にしっかり捉えてDX支援をしてきたパートナー、メンバーズであれば、そこも信頼して一緒に進められると考えていただけるでしょう。
実際にそうした考えから、新しいモビリティーや、シェアリング・エコノミー実現の取り組みに、私たちを選んでいただける企業さまが、少しずつではあるものの増えている現状です。
「意識的に尖らせて目立ってきた」|「ホワイト競争」を仕掛けるために
パチ:高野さんには「人事制度の仕掛け人」というイメージがありました。2010年代、コロナ禍前にメンバーズは次々と新しい働き方を社内外に提唱し、Webサイト開発・運用などのIT受託サービス業界に驚きをもたらしました。
高野:そうですね。あれも意識的に尖らせていっていました。
現在はずいぶんと変わりましたが、2000年代、2010年代のWeb業界やデジタル・マーケティング業界、とりわけ受注型のクライアント・ビジネスにおいてはブラックな働き方が「仕方がないもの」として捉えられていましたよね。自分や家族を犠牲にして深夜まで働き、どんな無理難題にも応えることが正しいとされる風潮がありました。
メンバーズもご多分に漏れず、そうした働き方を「そういうもの」として捉え、社員の幸せが犠牲となるのもいとわないところが大きかった。私は「そういう働き方をしなくても、結果は出せるし成功できる。この業界でもホワイトな働き方ができる」ということを、メンバーズを通じて提示し、証明したかったんです。
パチ:そして実際、8時間勤務で社員が健康的に働き、会社としての成果もバッチリ出せることを証明した。あれで多くの企業の意識が変わりましたよね。
高野:はい。上場廃止の危機だったところから右肩上がりの業績となり、人事界隈でも多くの注目を集め、たくさんの賞などをいただきました。
そして、世の中の働き方改革の流れとともに、いわば「ホワイト競争」とでも呼ぶべき新しい働き方の実践を競い合う風潮が世の中に広がり、結果としてしあわせな働き方を実践できる場が増えました。より多様な人たちが、多様な働き方を実践できるようになったんじゃないでしょうか。
業界における受託ビジネスの在り方をかなり変えることができたのではないか——、そんな自負があります。
前編はここまで!次回は、「人」を大切にする経営や社長としての野望などをお届けします。後編はこちらからどうぞ!
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