「地球にやさしい」には根拠がいる(後編)
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カーボンフットプリントで証明する
前編では、「グリーンウォッシュ」への批判が高まるなかで、企業には真実性をもった情報開示が求められていることをお伝えしました。また、批判を恐れて沈黙するのではなく、現在地を提示することも顧客をはじめとする多様なステークホルダーの信頼や共感を得るうえで欠かせません。
そうした情報開示方法の1つとしてご紹介したいのが「カーボンフットプリント」の明記です。
カーボンフットプリントとは、直訳すると「炭素の足跡」。商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです(※1)。
カーボンフットプリントの計測・明示は環境配慮の客観的根拠や企業姿勢の証明になるとも言えるでしょう。
先進的事例の紹介
カーボンフットプリントが明示された製品を私が初めて目にしたのは、サンフランシスコ発のブランドAllbirds原宿店でした。Allbirdsでは素材・製造・輸送・洗濯・廃棄の5段階に分けて排出量が計測・開示されています。
また、店内には以下のポスターが掲示されていました (※2)。
これは、2021年4月22日のアースデーに合わせて、Allbirdsからファッション業界へ宛てた手紙です。自社のカーボンフットプリント算出の方法をオープンソースとして開示し、業界全体のCO2排出量を減らすためにまず測ろうと呼びかけたのです。業界における共創のムーブメントをも促すAllbirds社のこうした取り組みが同社の本気度や真実性を証明していると感じます。
さらに最新のサステナビリティレポートには、以下のような文言がありました(※3)。
製品ごとのカーボンフットプリントは0に近づけることができているものの、事業拡大にともない総排出量は増加してしまう。このジレンマを認識し、現在地を開示し、ロードマップを示しています。
カーボンフットプリントによる証明はブランドの信頼を築く
カーボンフットプリントの計測は、自社の製品やサービスの環境負荷を直視し、自らに削減のプレッシャーを課すという、未来への覚悟をともなった行動だと感じます。だからこそ、カーボンフットプリントの表示は、脱炭素時代の生活者に応援と賛同と信頼を求める手紙のような役割を果たしうるかもしれません。
CO2排出量という客観的データが、顧客や従業員との情緒的なエンゲージメントを創り出す。計測と製品表示の価値は想像以上に大きいでしょう。
※1:CFPプログラム
※2:Allbirds「『アースデー・プレゼント』のお知らせ」
※3:Allbirds「2021年サステナビリティレポート」
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