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サーキュラリティデッキを活用したワークショップ事例:大丸松坂屋

本コラムは下記記事の抜粋版です。詳細はこちら

Circularity DECKを使ったワークショップを体験された、大丸松坂屋百貨店 サステナビリティ戦略担当の米山由紀さま、伊藤友博さまからワークショップの効果をうかがいました。

大丸松坂屋百貨店様からの今回のご相談を受けて感じたこと

オランダのマーストリヒト大学・持続可能性研究所ヤン・コニエツコ教授が、数百の企業を分析し、開発したのが「Circularity DECK」。サーキュラーエコノミーの戦略と戦術が51枚のカードとしてまとまっています。

現状、サーキュラーエコノミーに取り組んでいるのは、B to B企業がほとんどです。しかし、B to B企業だけが取り組んでも、世間に大きく波及させることはできません。サーキュラーエコノミーの実現のためには、B to Cへのアプローチが非常に重要だと認識しています。

サーキュラーエコノミーというと、どうしても「サーキュラー(循環)」の部分に注目してしまいがちですが、それだと「どうやって回そうか」とコストの方に意識が行ってしまうか、もしくは理念優先でボランティア意識の方が強くなってしまうか、のいずれかに偏ってしまうケースが多いと感じています。

そうではなく、重要なのは「エコノミー(経済)」のほうであり、まずは「どう儲けるか」から考えるべきだというのが、私の考えです。以前は、地球を壊しながら儲けていたのが、これからは地球をよくしながら儲けていくことが当たり前の世界になっていきます。その流れに消費者を巻き込んでいくことができるのがB to C企業の強みであり、そうした企業が増えるほどにサーキュラーエコノミーの裾野が広がります。だからこそ、大丸松坂屋百貨店様からの今回のご相談は、サーキュラーエコノミーに特別な関心を持って取り組んでいる我々にとって、とても嬉しいお申し出でした。

大丸松坂屋百貨店のサーキュラーエコノミー取り組み背景

大丸松坂屋:
大丸松坂屋百貨店では、以前から「廃棄物の3R(リデュース、リユース、リサイクル)」に積極的に取り組んでいました。しかし、活動が進むにつれ、「廃棄物が出る」ことを前提としたこの取り組みだけでは、根本的な環境問題の解決には至らないのではないかという疑問も出てきていました。「サーキュラーエコノミーの推進」には、より戦略的な「攻め」の姿勢が求められると強く実感しています。そうしたマインドセットの転換も含めて、どのような形で推進を具体化していくか、いろいろと戦略を考えています。

ワークショップ体験記

― ワークショップは2022年12月に行われたとのことですが、何人ぐらいが参加したのでしょうか?

大丸松坂屋:
参加メンバーはさまざまな部署から呼んだ方がいいというアドバイスを受け、事前に検討して、かなり幅広い部署・年代の方に声をかけました。結果17人に参加いただき、4~5人のグループに分かれて、ディスカッションするという形式で行いました。

大丸松坂屋:
サーキュラーエコノミーについてディスカッションするという体験自体が、ほとんどの人が初めてだったこともあって、全体としてワクワクした雰囲気でした。また、ディスカッションに先立って数藤さんからお話しいただいた内容がとても面白いものだったこともあって、最初から雑談を促すというか、議論しやすい雰囲気になっていました。

― ワークショップの様子はいかがでしたか?

メンバーズ:
今回のワークショップも事前に宿題を出す形で進めましたが、お持ちいただいた事例を拝見すると、非常にアンテナ感度の高い方が多いという印象を受けました。サーキュラーエコノミーに関する関心は高く、初めて会う人同士が多いメンバーだったにもかかわらず、事例をフックに活発なディスカッションが行われていたことに驚きました。

― ワークショップ開催後、プラスの効果はありましたか?

大丸松坂屋:
いろいろな人と話すと、アイデアって出るものなのだなということを強く実感させられました。実際、ワークショップでは、さまざまなアイデアが飛び交いました。また、Circularity DECKを使って、出てきたアイデアを具体的な事例に紐づけていくことで整理され、さらなるアイデア創出が促されるといった体験もありました。

大丸松坂屋:
アイデアがアイデアを誘発し、そして整理・統合されていくという実感が体験できたことがとてもよかったです。さまざまな部署・年代の方が一堂に会してディスカッションするという経験自体が初めてでしたが、こういう場を設けること自体が重要だということが、よく分かりました。

― 今回のワークショップの成果を基に、サーキュラーエコノミーをどのように推進していく予定でしょうか?

大丸松坂屋:
大丸松坂屋百貨店では、2016年から「エコフ」という、資源循環施策を行っています。店頭でお客様から不要な衣料品や靴、バッグなどを回収し、リユース・リサイクルする取り組みで、多くのお客様と育ててきた活動です。「サーキュラーエコノミーの推進」の下では、それを超える大きな施策に取り組みたいと思っています。

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サーキュラリティデッキを使ったワークショップ

このサーキュラリティデッキを使ったワークショップは、さまざまなバリエーションで利用できます。

【テーマ例】
すでにある商品のサーキュラーエコノミーモデルを考える
すでにあるビジネスモデルのサーキュラーエコノミー化を検討する
サーキュラーエコノミーを前提にした新規事業モデルを考える
Scope123の削減に必要なアイデアを考える
ごみゼロを目指したサーキュラーエコノミー施策
サステナビリティをテーマにした集客プロモーション施策検討

新しいアイデアやビジネスモデルが生まれる面白いワークショップになることは間違いありません。また、サーキュラーエコノミー実現に向けた施策のチェックリストとしても機能することを実感できるはずです。 
気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!

ライター:数藤雅紀
株式会社メンバーズ 脱炭素DXカンパニー
循環経済&サスティナビリティ推進 ラボ所長
ケンブリッジ大学経営大学院循環経済プログラム修了
Global Compact Network Japan サーキュラーエコノミー分科会共同幹事
もと山一證券。金融・デジタル・DX・循環経済を得意とする。
Note:https://note.com/suto410
Facebook:https://www.facebook.com/Sutoh/

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